1863年(文久3年)横浜奇談に玉突き 紹介される

(2003.02.23
)
 「横浜奇談」は文久3年に発行された横浜居留地の西洋人の生活風習について書かれた本です。日本と西洋の文化の比較などもあり、当時の人はこういった本から異文化の情報を得、自分の中でイメージしていったのでしょうかね。
西洋人の衣服、食事、風俗、娯楽、そして当然ビリヤードの事が書かれています。
 我国の旅籠料とは格外の高料なり。
そのうちに五十畳敷ぐらいとも身ゆる大座敷ありて、真中に長さ三間ばかり巾ニ間ほどの机のようなるものあり。
周りのふち高さニ寸ほどにてそのすみずみに穴あり。
其盤面に二寸五分ぐらいの玉をおき、その玉を相手とかわりがわり棒を以って突けば我玉と相手の玉とあたり合あたり合その玉穴に入るの次第にて、勝と見えたり、入らざるは負けなるべし。
その手練の妙なること実におどろくべきの所なり。
この遊びは我国の穴一とやらに似よりたり。

 旅籠はおそらく「珍事五ヶ国横浜はなし」の時と同じ横浜ホテルでしょう。
 ここに書かれた穴一とはなんでしょう。
穴一(穴市)は地面に穴を掘り(地面に円を描くだけの場合もある)、そこにめがけて銭を投げ、入った者が銭を取得する博打です。
ビリヤードと似ているかといえば、まぁ似ているのかなぁ。ターゲット・プールと穴一ならもっと似ているだけどなぁ。

参考文献 横浜奇談 複製 横浜開港資料館蔵
ヨコハマ洋食文化事始め 草間俊郎 雄山閣出版


誰も書かなかった横浜居留地

外国人A あれ?休みの日ぐらい街に出ないの?

外国人B だってよ、街中にはチョンマゲってゆうモヒカンヘアーの奴らがうろうろしてて、怖くてな。

外国人A そうだよなぁ。あいつら刃物持っているしよ。チーマーより怖ええぜ。

外国人B そういえば、去年生麦ってトコでイギリス人がいきなりキレた若者に殺されたしな。

外国人A うげっ!通り魔殺人かよ!

外国人B その前は桜田門外でテロもあったしな。物騒な時代だぜ。

外国人A しかし、この国は大丈夫なのかね?国際社会の中で。

外国人B 外交下手そうだしなぁ。この国のトップは優柔不断だし。

外国人A ペリー以降アメリカには弱腰だしな。

外国人B まぁ、アメリカもヨソの国にあれこれ言うの、好きだかんな。

外国人A ・・・そうだ。ビリヤードでもやろうぜ。

外国人B あっ、ダーツにしようぜ。ダーツ。今ビリヤードより流行っているんだ。